固体レーザ

熱損傷の少ない微細な加工を行う上でレーザ光の短波長化は
固体材料の吸収を高めることで熱損傷を低減することができた。
固体材料の吸収が低いと光が熱に変換され、熱損傷を起こしやすくなるからだ。

レーザ波長の短波長化が高調波レーザにより実現されたが、
紫外線でも透過するガラスなどの材料や、紫外線レーザよりも更に熱影響を低減したい場合に
極短パルスレーザが有効となる。

極短パルスレーザ

極短パルスレーザは、ピコ秒、フェムト秒と、そのあまりに短いパルス幅により、
高いピークパワーを生み出し、通常吸収のない透明な材料に対しても、
多光子過程による非線形吸収を引き起こし、熱影響の極めて少ない加工を可能としている。

ただし、非線形吸収は局所的な吸収であるため1パルス当たりの加工量が少ないため、
加工タクトが極端に遅くなる。

そこで繰り返し周波数を上げて高速加工が試みられる場合が多いが、高い繰り返し周波数で
パルス間のオーバーラップ率を上げていくと極短パルスレーザといえど熱影響が出やすくなるので
注意が必要である。

【 加工におけるナノ秒のパルス幅 vs フェムト秒のパルス幅 】

アブレーション加工におけるナノ秒のパルス幅を考えた場合、材料への吸収が重要になってくる。

例えば、広く材料に吸収される紫外線レーザのナノ秒パルス幅の場合、吸収があるとはいえ、
吸収されない光が熱に変換され、熱拡散により加工部周辺に熱影響が発生してしまう。

一方の非線形吸収のフェムト秒レーザの場合は、材料依存が非常に少ないため、赤外線の波長で
あってもパルス幅が、ピコ秒より短くなると高いピークパワーが照射領域に集中することで熱拡散が
起こる前に照射領域が一気に蒸発し、加工部周辺への熱影響がほとんどなくなる。

ただし、非線形吸収は、局所的な吸収であるため1パルス当たりの加工量が少なく、
紫外線レーザによる熱影響レベルで問題がなければ、加工タクトが速い紫外線レーザの方が
加工に適しているといえる。

極短パルスレーザの加工例


フェムト秒レーザの加工例(Siウェハー) 】


ピコ秒レーザの加工例(ガラス類)

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