レーザ熱加工と非熱加工
レーザ熱加工と非熱加工

レーザ加工には大別して以下の2種類の加工方法があります

  • 金属の溶接や切断、樹脂材料の溶着といった加工を行う熱加工
  • 非金属材料(セラミックス、樹脂)に対し熱損傷を抑えた非熱加工(アブレーション加工)

ここでは、熱加工と非熱加工の違いを具体的に説明します
レーザ熱加工
レーザ熱加工とは、レーザ光が固体材料の表面で吸収されて熱に変換され、その熱エネルギーで材料を溶融しながら行う加工のことです。
材料を溶かす上で必要な熱エネルギーは、赤外線のレーザ光が固体材料内部に共鳴吸収されて起こります。
レーザ熱加工では、金属材料(ステンレス、アルミ、銅など)の溶接や切断、焼き入れ、表面改質、そして樹脂系材料の溶着などが行われており、主に熱的な作用を起こしやすい赤外線レーザが使用されています。
赤外線レーザは、加工対象が小さな電子部品から大きな自動車、鉄道、航空機部品など幅広いため、対応するレーザ光の出力も数十W~数十kWと、小出力から大出力まで存在します。

レーザ非熱加工
非熱加工の代表的な加工としてアブレーション加工があります。
アブレーション加工とは加工部周辺の熱の影響を極力抑え、大気圧下でかなりの高温でしか溶融しない材料でもレーザ光を吸収した箇所が瞬時に溶融し、蒸発、飛散することで行われる除去加工です。
非熱加工も熱加工と同じように材料表面を溶融しますが、溶融された箇所が瞬時に蒸発、飛散し除去されるため、加工部周辺への熱影響が少なく熱損傷の少ない加工を行ことがでます。
アブレーション加工は、材料に対し照射するレーザ光が十分に大きなピークパワー(W)やエネルギー密度(J/cm2)を得ることができるパルスレーザを使用することで可能となります。
非熱加工(アブレーション加工)では、非金属材料(セラミックス、樹脂、シリコン、複合素材など)の微細な穴あけ、溝あけなどの加工が主に行われており、加工内容に応じて赤外線レーザから紫外線レーザ、そして極短パルスレーザまで幅広く使用されています。
レーザ発振器の波長とコスト
非熱加工で使用されるパルスレーザは、熱加工で使用される赤外線レーザよりピークパワーが高いが、レーザ発振器の平均出力(W)としては数Wから数十Wと熱加工用レーザと比較するとそれ程大きくはありません。しかし、レーザ光の出力(W)を基準にして購入コストを見た場合、例えば赤外線レーザ1kW当たり1千万円で購入できるCO2レーザに対し、紫外線レーザはわずか10Wで1千万円を越えます。
極短パルスレーザと呼ばれるピコ秒、フェムト秒レーザになると、10Wで3千万円を超える価格となり非熱加工用のレーザ発振器は非常に高価であることがわかります。しかし、加工部周辺の熱影響を避け、かつ微細な加工を行う場合は加工自体の付加価値が高いため、生産ラインでも積極的に採用されている。

レーザ熱加工と非熱加工

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レーザ光と材料の関係

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レーザ加工の品質

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レーザ加工の課題

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レーザ選定のポイント

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レーザ発振の原理

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レーザの種類

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レーザ光学系

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レーザ穴加工

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レーザ溝加工

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レーザ切断加工

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レーザ溶接加工

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レーザ加工におけるコスト

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